<2004年11月号>


第4回 平成16年10月14日 (木) 曇りのち晴れ   

参加者:節子 光子 聖子 由紀子

金山川・瀬板の森公園

今回はいつもより一時間早く10時ごろ折尾駅に集合し、吟行地金山川に車を走らせる。
お目当てのコスモスは真っ盛りとはいえないが、ピンクや白の花が川に沿って一キロほど続き、横の休耕田もコスモス畑となっている。金山川のこのあたりは「水辺の里」といわれ、菜の花、桜、チューリップ、カンナ、コスモスと四季折々の花が、ボランティアの人々によって手入れされ、春は「チューリップ祭」、秋には「コスモス祭」が開催されている。
川に沿ってしばらく歩く。黄色のカンナがまだ咲き残っている。少し強めの風に揺れるコスモスの散歩道は四人を俳人にさせる。いつもの楽しい笑い声が自然に消え、自分の世界をノートに書きとめている。

 

川風にコスモスの色流れけり     由紀子

休耕田今コスモスの風に揺れ     光子

 その後、車で3−4分の「瀬板の森」公園へと移動する。
瀬板貯水池の周りを遊歩道にして、森林浴や四季折々の草花を楽しむことができる公園で、北九州の都市部にこんなに広い自然に恵まれた公園があることに驚く。この貯水池は三菱化学の工業用水の水源らしいが、このように市民に開放してくれるのは有難い。

今日の散策コースは南口から入り、「もみじ谷」や「木の橋」を渡り、「水辺のテラス」を通って展望台まで。萩の径がつづくが、ここではすでに刈られている。所々に刈り残った萩が咲いている。遠くに皿倉山が見え、池の対岸にはゴルフ場がある。秋空に白い雲が流れ、広々とした緑と池が美しい。池の漣を見ていると噴水が勢いよくしぶきを上げる。休日になると親子連れで賑うこの公園も、平日の正午ごろは何組かの親子とウォーキングを楽しむ少人数の熟年のグループが行き交うのみである。俳句作りにはもってこいの環境である。

  

秋高し真綿裂くよに雲流れ     聖子 

さざなみの立つ池の端冬近し   節子 


 
今年は残暑と台風で紅葉が例年より遅れているが、水辺のハナミズキが美しく紅葉している。団栗が落ちている径を歩いていると、メタセコイヤに似た「ラクウショウ」別名「沼杉」が高々と空に向かって伸びている。この4人の中で一番草木の名前に詳しい節子さんが、目ざとく見つける。

ヌマスギの葉に透けて空秋となる    光子

木の実降る空青かりし湖あおし    由紀子

幼稚園児くらいの男の子が、母親と網で池の魚を掬おうとしていて、「釣り禁止」の立て札が気になりもしたが、子育て時代を思い出しながら、ままごと遊びのような「お魚取り」をじっと見ている。子供の屈託のない声や笑顔が、静かな池に映る。

おしゃべりをただ聞いており薄紅葉   節子

風音を集めて秋の沼深し        聖子

 

そろそろお昼になるので、来た径を戻る。銀杏の薄紅葉や桜紅葉、臭木の白いガクに濃い青色の実が美しい。時折鳥の声がする。鳴き声ですぐ名前がわかるといいのだけど・・・。
秋の森を十分歩いた後は、お楽しみのランチ。今日は「梅の花」青葉台店をご指名。
席待ちの人が何人かおり、私達も玄関正面の「お月見だんご」やススキの飾り、苔生した中庭を見ながら少し待つ。出された梅こぶ茶が美味しい。ようやく名前を呼ばれ、広間の席に座る。「秋限定ランチ」を注文する。程よい疲れを覚えながら、次々に運ばれてくる料理に舌鼓をうつ。軽めによそわれた茸飯を3杯お替りする人もいて、楽しいランチタイム。
すぐ近くの由紀子邸にて五句の句会をする。光子さんの仕事の時間がせまり、解散。
光子さんは、これから9時まで薬局の仕事。節子さん、聖子さんは博多経由で自宅まで。

それぞれにごくろうさまです。    楽しい一日をありがとう!!