吟行記 【平成22年10月号】 |
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第74回 平成22年9月16日(木) | |||
参加者 佳与子 節子 光子 由紀子 | |||
高見神社・金毘羅池周辺 | |||
今年の夏は異常な暑さで、立秋を過ぎてからラストスパートをかけるように全国各地で最高気温の記録更新をしている。9月中旬の16日も30度の予報。真夏のような暑さだが、以前より幾分風が涼しく感じられる。それでも炎天下を吟行することを避け、高見神社と金毘羅池周辺を吟行であれば佳与子さんも参加しやすいだろうと、高見のスーパー「スピナ」駐車場に集合と決める。 9月16日10時半、八幡駅で節子さんを車に乗せ高見に向う。すでに光子さんと佳与子さんは「スピナ」に来ており、予定通り11時吟行開始。せせらぎと花木に囲まれた高見の住宅街をゆっくり抜ける。広場では幼稚園児たちが運動会の練習をしている。住宅街の中は、あまり人が行き交うことはなく、時折車の出入りがあるのみである。高見地区には市長公舎が建っていたが、民主党の元衆議院議員の北橋市長は「税金の無駄遣い」を理由に公舎に入らぬまま取り壊されている。それを見ながら脇参道に向う。木槿や百日紅の花が咲き、実むらさきは僅かに色を付け始めている。通りの一角に藤袴の一葎があり、アサギマダラの乱舞をみた覚えがあるが、時期が一ヶ月早いせいもあって藤袴があまり見当たらない。 |
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![]() ![]() 【高見の住宅街】 |
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朝涼の広場園児の遊戯会 由紀子 参道につづく小流れ実むらさき 由紀子 |
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境内に参拝者はいない。見慣れた景色ではあるが、山を背に大樹に囲まれた神殿は神聖な空気が流れている。少しひんやりとする僅かな風の中でお参りを済ませる。しばらくすると禰宜らしき人がでてきて池の掃除なのか水替えなのか、鯉の泳ぐ池で作業を始める。10月11月の秋の大祭や七五三の案内のチラシが置かれているので、その前の準備かもしれない。 | |||
新涼の風神殿の奥より来 光子 | |||
![]() 【高見神社】 |
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かって高見の桜の名所だった名残の広場に行く。薄紅葉というか夏枯れとういか、葉っぱは黄色に色づいているものもある。上の山道を上れば北九州市立美術館に通じているが、道沿いに咲く臭木の花や仙人草の花に揚羽蝶が通り過ぎるのを見ながらしばらく句作。模様のわずかに違う黒い揚羽蝶に「カラスアゲハ」「ジャコウアゲハ」「クロアゲハ」の名前が挙がるが、詳しくは分からない。スカートで吟行した人の足に襲う藪蚊に長く居られず駐車場に戻り、金毘羅池に向う。車で5分。 | |||
美術館臭木の花の咲き残り 光子 鉦叩通り過ぎれば鳴きだして 節子 |
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![]() 【高見の広場と皿倉山】 |
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北九州総合体育館の前に広がる金毘羅池の周辺もまた散歩コースとして整備されている。池の浮き島は柳が池面に垂れ蘆が生茂っている。そこから鴨が姿をみせ、青鷺が何かを狙って身じろぎ一つせず立っている。所々に植えている紅萩が目に付く。西側にある小高い金毘羅山は歩いても、車でも気軽に行くことのできる神社で、春になると頂上までの渦巻き状の道に沿って桜が淡い色をつける。上る元気は、この暑さでは出て来ない。 大池の噴水が噴き上げはじめる。人感センサーのように人影を感知すると噴きはじめるのかと思う。堤の上にある小さな池には蘆や蒲が色あせて茂っている。浮き草も多く、池の半分も水が見えないが小さな鷭が二羽三羽と水草の間から姿を現し目を楽しませてくれる。 |
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![]() ![]() 【金比羅池の鷭】 【国境石の看板】 |
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鷭の子の尾羽少しく立てゆけり 光子 水に浮く草一本に二羽の鷭 由紀子 池の辺に小さな祠赤のまま 佳与子 赤蜻蛉国境石に止まりては 由紀子 |
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総合体育館と美術館の中間地点にある鞘ヶ谷の和食の店「魚蔵」にて昼食。その後近くの教会のあるレストランにて句作、句会。真っ白な外観、内装も白を基調にしたレストランは、メインの通りから少し中に入るので、分かりにくいが店内のアレンジメントフラワーや単色のクッションなどが良く映え、全面総ガラスの窓から先ほどの金毘羅山の鳥居がくっきり見える。庭にはレストランで使われるハーブがたくさん植えられ微かに匂っている。出入り自由の芝生の庭先に風見鶏のある教会がこじんまりとあり、爽やかな風が吹いている。 | |||
![]() ![]() 【教会とレストラン】 |
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山頂に鳥居の見えて秋の晴 由紀子 参観は自由教会花むくげ 佳与子 |
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ここから眺める空は秋の空、秋の雲で、お彼岸を過ぎれば異常な暑さも落ち着くだろう。10月の「みあれ祭」での再会を約束して解散する。 | |||
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