吟行記
【平成23年10月号】 
 
第86回 平成23年9月8日(木)
参加者  節子 真理子 光子 由紀子
高見神社周辺(八幡東区)  
 
猛暑日の多かった八月が終わると、台風災害のニュースで九月が始まった。暑いことが影響しているのか、今年の台風は速度の遅い雨台風が多く、四国や紀伊半島に甚大な被害をだしている。年々雨の降り様は過去にないような豪雨となり、川の氾濫や山津波を招いている。山間部でも都市部でも、どこが被災地になるか分からない近年の自然災害に不安を感じるこの頃である。 
 
台風の一過とならず山津波      由紀子 
 

 
9月の吟行は、東京組の来八幡以来元気になってきた佳与子さんへ再度のお見舞いと、体調が許せば一緒に少し散策できるのではとの期待を込めて、高見界隈に決める。台風の影響が少なかった北部九州は暑い日が続いていたが、時折吹く風に涼しさが感じられる。
9月8日 木曜日、高見のスーパーの駐車場に集合予定。光子さんは直接車で集合場所へ。節子さん、真理子さんは八幡駅から由紀子車に乗車。福岡方面から電車で来た二人は、折尾駅や黒崎駅の立ち喰いうどんを食べたとか、食べないとかの話に盛り上がり、あっという間に高見に到着し、光子さんと合流する。 
 
   
 
前日佳与子さんから、体調不良のため一緒に吟行はできないとメールはあったが、少しでも食欲がわくようにと手作りの惣菜を持ってきている人もおり、また仕事の都合で7月以来佳与子さんに会っていない光子さんのこともあって、駄目もとで佳与子さんにメールで高見に来たことを知らせ、お惣菜を持って一人で9階の佳与子邸を訪う。半ば強引ではあったが、玄関で渡し帰ろうとすると「吟行と昼食が済んだら皆で寄って」の返事をもらう。 
 
とりあえずこの辺りを散策し、高見神社に参拝して昼食にしようということになる。臨機応変というか、状況に合わせて動くことができることが、この会の良いところである。
高見の高級住宅街は小高い山を背に、木々や花が溢れている。山側の道には臭木の花や実、仙人草などが咲き、アゲハが飛び交っている。一軒一軒を覗き見ることはできないが、住宅のせせらぎ風の側溝には花が小奇麗に植えられている。少し紫がかっている式部の実、セキショウや木賊などもある。以前「フジバカマ」が群生してアサギマダラがいた所を通ったが、ほととぎす草に取って代わられ、普通の小道になっていたのは残念である。 
 
  
 
秋の蝶美術館への道に消え      由紀子

蝕みは花に及ばず酔芙蓉       真理子

せせらぎに色づき始む実むらさき   節子

一匹の蜂にゆれゐる花みょうが    真理子 
 
高見神社には誰も居ず、静けさの中に参拝する。秋祭りのパンフレットが置かれている。新日鐵関係者は、ここで結婚式を挙げた人も多く、子供の宮参り、七五三などお祝いの度に参拝している。こんもりとした木々の中にあって、神聖な雰囲気のある神社である。 
 

 
結ばれしみくじみな古り秋の宮    光子

神苑に青桐の実の重たげに      由紀子 
 
昼食は佳与子さんお薦めの高見市場にある蕎麦屋「一徳」。蕎麦というより和風スパゲティーが運ばれてきそうな外観も内装もあっさりとしたお店で味も良い。今回は佳与子邸を訪れる時間もあるので、とりあえず句作をしてマンションへ向う。
佳与子邸にて3句の句会。句は少ないが、佳与子さんにも選句を手伝ってもらい、いつものように満点句から各々講評。句会を一緒にできたのが、何よりの収穫となった一日であった。 
 
   
 
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