吟行記 【平成24年6月号】 |
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第94回 平成24年5月11日(金) | |||
参加者 光子 真理子 由紀子 | |||
糸島半島巡り(糸島市) | |||
今月は初夏の糸島半島を吟行することに決まる。一度は行ってみたいと思っていたが、交通の便が良いところではないので、なかなか行けずにいたが、糸島市の近くの西区に住む真理子さんに全てお任せして吟行日を迎える。 5月11日(金)福岡市営地下鉄室見駅10時30分集合。真理子さんが駅近くで待っている。停めてあった真理子さんの車に光子さんと乗り込み出発。行き慣れた道らしく、交通量の少ない道を選んで、すいすいと滑らかに運転するので、後部座席の二人は存分に外の景色を眺めることができる。能古島に渡った姪浜や「生の松原」「今宿」を通り過ぎ、糸島半島へと海沿いの道を走っていく。新緑と青い海が美しい。糸島の澄んだ空気は美味しい野菜や魚、卵を産出し、福岡市民の台所となっている。 まず到着したのが「東林禅寺」。玄界灘に突き出た半島の漁港は、海から直ぐ小高い山になっていて、こじんまりとした家々は坂や階段になっている路地を挟んで建ち並んでいる。階段をまっすぐ上ると、小さな山門が見える。ここには万葉歌碑や座禅石、夫婦杉などがあって魅力的な寺であるが、何といってもこの境内から見る景色は絶景である。青い海に浮かぶ島々をしばらく眺める。 |
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![]() ![]() 【「東林禅寺」への町並みと山門】 |
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![]() 【「東林禅寺」境内よりの景色】 |
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座禅石庭のつづきにほととぎす 真理子 天草を広げ万葉歌碑の寺 真理子 芍薬に病み棲む坊が妻ひとり 真理子 石蕗ぶきのくきも摘まれてかたわらに 真理子 老鶯のしきりや海を見下ろしに 光子 |
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![]() ![]() 【境内の万葉歌碑と夫婦杉】 |
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![]() ![]() 【食事処「空」】 |
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目を患っているらしい住職は出てこなかったが、本堂にお参りさせていただく。 真理子さんの説明では、この寺の門徒は、以前地震で大きな被害を受けた玄海島の人がほとんどらしい。 境内は広いとはいえないほどだが、回りに野菜や花を美しく育て、天草なども干しているのを見ると、住職の人柄がわかるような気がする。 坂道の家々に咲かせている花を見ながら禅寺を後にする。近くにある昼食予定の寿司レストランは最近テレビで紹介されたらしく満席だったが、運よく早めに席が空き、人気メニューの野菜寿司のランチコースにする。カウンター席の前で寿司職人が握っている。その後ろが全面ガラス張りで、海を見ながらお寿司を食べる。なかなか粋である。 どの辺りを走っているのかわからないが、次に案内されたのが「二見ヶ浦」。これはテレビや雑誌で見たことがある。糸島の一番の観光スポットかもしれない。新しい注連縄の夫婦岩に白い鳥居。大海原から寄せる波は現地でしか体感できない迫力がある。私の住む若松北海岸の海より広く大きく迫ってくる。 |
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![]() 【「二見ヶ浦」の夫婦岩と鳥居】 |
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大卯浪玄海灘の風を得て 由紀子 沖はるかすでに砕けて立つ卯浪 光子 波の音少し離れて若葉風 真理子 |
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「二見ヶ浦」から、毎年KBCオーガスタのゴルフ大会が開催される「芥屋ゴルフ倶楽部」の前を通り過ぎ、筑紫富士と呼ばれる「可也山」の麓を抜ける。途中「つまんでご卵(らん)」の直売所に立ち寄り買い物。少々高めの卵だが、珍しいものに目がない二人は、さっそく購入。半島を一巡りした後は、温泉でもということになり、弘法大師ゆかりの「まむしの湯」に浸かって潮風をあびた体をさっぱりさせる。吟行というより観光気分で、存分に糸島を満喫した一日となった。福吉駅まで送ってもらい解散。 | |||
![]() ![]() 【直売所と「まむし温泉」】 |
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怡土の浦々に咲き初め花楝 真理子 伊都国の浦巡り来し花あふち 由紀子 |
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初めての糸島巡りだったが、調べれば調べるほどに歴史ある魅力的な場所で景色も素晴らしい。また全員集まって吟行したいと思う。 | |||
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