吟行記 【平成24年9月号】 |
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第97回 平成24年8月3日(金) | |||
参加者 節子 光子 真理子 由紀子 | |||
地行浜(福岡市中央区) | |||
![]() 【地行浜】 |
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梅雨の豪雨が去った後は、猛暑が続いている。各地の最高気温を見ると、34度、35度。もう驚くこともなくなったが、スコールのようなゲリラ豪雨や竜巻など、今までにない災害に地球温暖化の脅威を思うこの頃である。 あまりの暑さと天候不順に、吟行地は涼しくて景色のよい所が良いだろうと、博多湾を一望できる「ヒルトン福岡シーホーク」に決定。 当日8月3日、やはり朝からうだるような暑さで、予想最高気温は35度。冷房用の上着と晴雨兼用の折りたたみ傘を用意して11時30分「シーホーク」5階の中国料理店「望海楼」前に集合。早目に着いたので、周辺を少し歩くが何とも暑く、デジカメで写すのが精一杯。早々に集合場所へ向かう。 予約しておいた席は窓から博多湾を一望し、糸島半島、能古島、志賀島などが見える。夏の青空と海をガラス越しに見ながらランチを食べる。開店と同時に席に着いたので一番乗り。正午を過ぎるとほぼ満席になったが、座った席は店の入口から真直ぐの窓際で、他のお客と少し隔たりがあり比較的静かである。節子さんが兼題の溝萩を自宅から持ってきている。皆手に取ってみる。 |
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![]() ![]() 【中国料理店「望海楼」】 |
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八月の雲また海の色変はる 真理子 能古島上空夏の雲ひとつ 節子 溝萩を手にして博多ごりょんさん 光子 |
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![]() 【地行浜と松林】 |
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暑いだろうが、浜辺まで下りて少しでも吟行しようということになり、シーホークを出て直ぐの松原から海を眺める。5階からの景色と松原からの景色は、全体としてほぼ同じなのだが、横を流れる樋井川の河口で釣りをしている人、魚の飛び跳ねる様子、家族連れが海に入って泳ぐ様など、人やその他の動きがよく見える。 炎天下の砂浜に入る元気はなく、砂浜に沿った松原の石段に座って作句。30−40分の短時間で、それぞれに目に留まった景を、すぐさま句にする。 |
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浜木綿に浜の監視は暇らしく 光子 遊泳のブイの近くに魚跳ねて 光子 浚渫の船ゐる航路雲の峰 光子 何の鳥炎暑の浜を低く飛び 由紀子 遊泳の人等に離れ魚跳ね 由紀子 雲の峰立つ海が好き夏が好き 由紀子 風に向き飛んで流され赤とんぼ 真理子 潮風にのり浜木綿の香りくる 真理子 松原に鳴きながら飛ぶ蝉のいて 節子 炎天のマンホールよけ猫の行く 節子 |
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![]() ![]() 【ヤフードームと樋井川】 |
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松原に座る4人の上を、蝉が鳴きながらどの松の幹にも止まらず飛んでいった。皆目で追いながら句を作る。目の前の海にはボラらしい魚が何度か飛び跳ねている。「跳ねているね」と言って一句。「浜木綿が咲いているね」とまた一句。短時間で纏めあげるのも面白い。 松原の木陰とはいえ、外は35度の猛暑。浜辺はシーホークのプライベートビーチになっているのかどうかは判らないが、平日なので遊泳する人は少ない。砂浜に踏み入れる足元が暑そうだ。その家族連れも引き上げ始める。我々もそろそろと腰を上げる。 シーホークの天井の高いアトリウムレストランで紅茶を飲んで10句の句会。 |
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![]() 【シーホークのアトリウム】 |
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帆を張りて夏の海辺のレストラン 光子 夏の空ホテルと病院向き合ひて 光子 |
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「ホークスタウン」内にシーホークホテルとヤフードームが横並びにあり、道を挟んで「国立病院機構九州医療センター」がある。どちらも約20年ほど前、埋め立て地に建ったものである。川を隔てた百道浜にも博物館や福岡タワーが建つなど、この辺りは福岡の観光名所であり、最先端をいく一帯である。何気なく歩いていたが、ホークスタウンに遊びにきている人と最先端の医療を必要としている人が向き合って、同じこの夏の空を眺めているのだと光子さんの句が教えてくれる。俳句とは、どこにその人の目が向いているかが、直ぐに判るものだと改めて思う。 シーホークホテルのバス停から天神まで向かい解散。 |
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![]() 【地行浜】 |
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