自選句
【平成25年1月〜3月号掲載】 |
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【平成25年3月掲載】 |
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「平成25年2月投句より」  |
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勝利 |
光子 |
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一年の早きに追はれ豆を撒く |
春塵を払ふ一日また埃 |
でこぼこの泥にでこぼこ蜷の道 |
掛声のとぶ六代目豆を撒く |
駅弁や色とりどりに春めきて |
窓枠に頬杖ついてみてのどか |
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佳与子 |
節子 |
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提灯も河豚や馬関のひな祭 |
日曜の節分祭の人出かな |
ゆるやかな流れありけり蜷の道 |
もうもうと煙る護摩堂春浅し |
豆をまく女に彼女帽子振る |
我もこの善女の一人豆を撒く |
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由紀子 |
真理子 |
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追儺会の舞台に迫る人出かな |
護摩堂を出て深呼吸梅ふゝむ |
舞台より我還暦の豆を撒く |
五重塔花三椏に静もりぬ |
雅叙園のその季節なる雛の壇 |
穏やかに老ゆること捨て春立つ日 |
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【平成25年2月掲載】 |
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「平成25年1月投句より」  |
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真理子 |
由紀子 |
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並べたる顔福笹に祓われて |
穏やかな日和賜り残り福 |
松原の名残ここらに初明り |
還暦や戸惑ひ仰ぐ大冬木 |
去年の髯伸びて口数少なき子 |
雪しずる音のしきりや豆を煮る |
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勝利 |
光子 |
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小包の寒さ纏ひて届きたる |
離れ住む吾も同じく薺粥 |
左義長や青竹弾け佳境へと |
福笹の吾に道きく人ありて |
願事済ましそのまま初稽古 |
吉兆を手にして少し豆を買ひ |
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佳与子 |
節子 |
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父と子の日曜大工日脚のぶ |
福笹を手に手に笑みをこぼしあひ |
ゴーグルをつけてどんどの火をせせる |
着膨れて満員電車に乗り込みぬ |
どんど火にするめをかざす女ゐて |
ともかくも勝手口での御慶かな |
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【平成25年1月掲載】 |
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「平成24年12月投句より」  |
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節子 |
佳与子 |
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着膨れてボックスシートの二人かな |
小春日の野良猫我を離れずに |
暖房に慣れて寒しや降車駅 |
橋下に猫の住処や小六月 |
狸見た末の子夕餉の主人公 |
十字路の多きこの道石蕗の花 |
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真理子 |
由紀子 |
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神輿庫のあたり箒目冬ざれて |
訪へば聞きしにまさる紅葉寺 |
なきがらのここにも冬のきりぎりす |
野火止の水あり沈む冬紅葉 |
子狸に夜毎の庭のレストラン |
極月の銀座和光に待ち合す |
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勝利 |
光子 |
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チェーンソーの音ふところに山眠る |
磐梯の左飯豊山眠る |
酔ひどれの男通りし狸かな |
ひんやりとして来し車窓見れば雪 |
綿虫は子供に追はれ風に乗り |
ほたる棲む川にも銀杏散り込みて |
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