自選句
【平成25年4月〜6月号掲載】 |
|
【平成25年6月号掲載】 |
|
「平成25年5月投句より」 ![](J004.GIF) |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
若葉雨しなふ枝先くぐりゆく |
夜半に去る名残摘み来し月見草 |
ふっくらと雨の築山苔の花 |
女生徒の腕まぶしくて更衣 |
旅の荷を解いて落着く更衣 |
大輪の薔薇に照らされディナーかな |
|
|
節子 |
佳与子 |
|
|
丈低き文字摺り花を捩り初め |
郭公や男時折背伸びして |
車窓より見る大阪の駅薄暑 |
ががんぼをエレベータの閉ぢこめて |
カーネーション何も言わずに渡されし |
尖りつつ薔薇の花びら朽ちにけり |
|
|
真理子 |
由紀子 |
|
|
あをあをと匂ふ豆飯供えけり |
臨書せし歌の幾首や桐の花 |
火照り顔して戻りたる夏蕨 |
踏み入れば異国めく湖青芭蕉 |
踏切に参道短か蝉丸忌 |
天守閣からは陽炎ふ阿蘇五岳 |
|
|
2013Top Home |
|
|
【平成25年5月号掲載】 |
|
「平成25年4月投句より」 ![](yoshino_w.jpg) |
|
|
由紀子 |
真理子 |
|
|
人波の先に隅田の花吹雪 |
首振りて厩出し馬ののどかなる |
散る花に眠りたる児を抱き帰る |
紅帯びしかなめ若葉や巫女ふたり |
花吹雪くみすヾの碧き海へ吹く |
ゆがみゐる玻璃春光を膨らませ |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
畑日記真白きままに別れ霜 |
山桜こそ好しとする齢なり |
奥宮へ八重の桜の上り坂 |
芽柳に黒点じたる鴉二羽 |
春深し花咲く木々に囲まれて |
花筵小さき靴も揃へられ |
|
|
節子 |
佳与子 |
|
|
鯉幟風弱まれば寄り添ひて |
鶯や息切れしそうにも鳴いて |
西海に渦巻き始む春の潮 |
掃き寄せて小さき嵩や花の屑 |
大橋の足元に透け春の潮 |
なでてみる馬の鼻筋牧のどか |
|
|
|
|
2013Top Home |
|
|
【平成25年4月号掲載】 |
|
「平成25年3月投句より」 ![](ILM03_AA09008.jpg) |
|
|
佳与子 |
節子 |
|
|
アーケード一直線につばくらめ |
土筆摘む誰も知らない野のここら |
鳥寄せの口笛ならん耕せる |
生きてゐるものの音して春の池 |
去年の巣を補強するなどせし燕 |
初蝶の光となりて飛んでをり |
|
|
由紀子 |
真理子 |
|
|
耶蘇墓の崩れしところ土筆生ふ |
発掘の穴そこここに春の水 |
春耕の土の匂ひも筑紫かな |
八重桜つぼみ匂へる雨上がり |
着陸機つちふる街に人を吐く |
夕燕雨空かすめ行きにけり |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
うららかなこの一日を遊ぶべく |
箱根路や待合室に春暖炉 |
揚雲雀ゆく手に昼の月かかり |
牡丹の芽凛たる気性はや見せて |
歌ふのは鳥と鯨と人の春 |
どの風も東風と詠みたき都府楼跡 |
|
|
|
|
2013Top Home |