自選句
【平成25年10月〜12月号掲載】 |
|
【平成25年12月掲載】 |
|
「平成25年11月投句より」  |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
杞陽忌や名残の夕べ虹立ちて |
青空の熟柿を仰ぐ喉仏 |
キリンの子ライオンの子も紅葉中 |
霜枯れしカンナの花の気骨かな |
抱かれゐる子の足袋白し七五三 |
小六月赤子ライオン足太く |
|
|
節子 |
佳与子 |
|
|
冬の日の差し始めたる猿の檻 |
磴上る子や袴着の裾つまみ |
ストーブの前に寄り添ふ猿二匹 |
空港に商ふ野菜小六月 |
小春日の動物園やゲート開き |
但馬今時雨るる頃か杞陽の忌 |
|
|
真理子 |
由紀子 |
|
|
猿山の湯つぼからっぽ小六月 |
はたはたと動いて象の耳小春 |
鳥籠の小春の一日暮れんとす |
ふり向きし猿の目ひかる冬の檻 |
そのほとり遺跡の蕎麦も刈り終り |
花石蕗の影に虎居る寝ておりぬ |
|
|
2013Top Home |
|
|
【平成25年11月掲載】 |
|
「平成25年10月投句より」  |
|
|
由紀子 |
真理子 |
|
|
踏切の音聞こえくる秋の海 |
庭先につづく茶の畑秋しぐれ |
船小屋といふは湯の町秋うたた |
木の実降る磐井の墓の石馬にも |
八女茶畑すっぽりつつむ秋の雨 |
綿雲の間より見え後の月 |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
鉱泉の湧く音しきり後の月 |
全身を曝けて鵙の高音かな |
流れ来て頭上にほどけ鷹柱 |
平家琵琶の撥に映りし後の月 |
朝霧や夕べはここで星を見て |
錦秋の空気切り裂くリニアかな |
|
|
節子 |
佳与子 |
|
|
藁葺きの屋根に番ひのかちがらす |
直筆の句碑と伝はり秋の風 |
石人の人形が原秋風に |
蘭草に蝶の飛びかふ日和かな |
乳母車からも応援運動会 |
山ぶどう口に放れば野の香 |
|
|
2013Top Home |
|
|
【平成25年10月掲載】 |
|
「平成25年9月投句より」  |
|
|
佳与子 |
節子 |
|
|
夜廻りの拍子木通る良夜かな |
それぞれ違ふ秋雲窓ガラス |
秋の日のスポットライト庭の木に |
相思鳥鳴き交はす空秋の山 |
たしかめる防災グッズ震災忌 |
口笛を吹けば答へる小鳥ゐて |
|
|
由紀子 |
真理子 |
|
|
相思鳥鳴き交ふ山の女郎花 |
仮寝する鷹に一夜の山暮れて |
連峰の水の育てし稲田かな |
しみじみと残りて高き鷹の空 |
ビルの影ビルに映して秋の晴 |
鳥寄せの口笛吹いて爽やかに |
|
|
光子 |
勝利 |
|
|
春秋の震災忌ともなりぬべく |
野に色を配り初めしや秋の蝶 |
秋草の野の一隅に祠あり |
しばらくは花を離れず秋の蝶 |
口笛に返す山鳥葛の花 |
秋天へ羽根の破れし黒揚羽 |
|
|
2013Top Home |