自選句
【平成24年7月〜9月号掲載分】 |
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【平成24年8月掲載】 |
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「平成24年8月投句より」  |
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勝利 |
光子 |
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遠海に夏雲の影流れ行き |
八月や志操確かと父の言ふ |
烏瓜開く時刻に誘い出で |
秋暑し湿布貼りつつ働けり |
去年のこと語り出しをり遠花火 |
夏の空ホテル病院向き合ひて |
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佳与子 |
節子 |
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昨夜と又同じ方角遠花火 |
小舟より届く人声夏の浜 |
閉店の円座重ねてある蕎麦や |
出窓より見る朝顔の裏の顔 |
手際よき女深爪円座編む |
西瓜なら食べられるかもしれないと |
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由紀子 |
真理子 |
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炎天の浜まぶしさに踏み込めず |
風に向き飛んで流され赤とんぼ |
任地より戻り地産の夏料理 |
秋立つやはたとせを経し松の風 |
建替えの決まりし駅舎蓼の花 |
ぼら跳ねて海の続きの空広し |
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【平成24年8月掲載】 |
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「平成24年7月投句より」 |
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真理子 |
由紀子 |
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八幡の池に子供ら捕虫網 |
荒梅雨や一夜に沈む峡の里 |
覚めやらぬ耳にキリキリ蝉の声 |
梅雨出水一村の橋流しけり |
吾がためにつけし香水匂ひくる |
故郷の映るテレビや梅雨出水 |
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勝利 |
光子 |
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信号を待ってゐる間の雲の峰 |
すでに無き社宅夾竹桃咲いて |
子燕やきのふより首長くなり |
あたたまるものも一品夏料理 |
胡瓜もみ二人の味に作り分け |
一木で森なす古木梅雨深し |
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佳与子 |
節子 |
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水草より飛び出し鷭の喧嘩かな |
遠雷を眠りの中で聞いている |
常夜灯低く灯して夏萩に |
大樟の洞の黒々梅雨湿り |
人影をとんと見ぬ家花ざくろ |
眠る子に団扇の風をゆうるりと |
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【平成24年7月掲載】 |
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「平成24年6月投句より」  |
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真理子 |
由紀子 |
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余白てふ涼しさ描く墨絵かな |
屋形船繋ぐロープに五月雨るる |
襟もとに付きし蛍の首を見せ |
ででむしや独り身軽でつまらなく |
産湯の子晒しに抱く青簾 |
暮れきらぬ空より一つ蛍の火 |
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勝利 |
光子 |
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萎びたる実を隠し咲く花柘榴 |
母育て父の供へしあやめかな |
一時間バス一本や茄子の花 |
初物の西瓜に長寿願ひつつ |
少年は鬢をはねあげ競べ馬 |
新緑の山々雪の飯豊山 |
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